LA DOLCE VITA ---甘い生活---
Arte / 絵画・彫刻・オペラ
ミラノ スカラ座に纏わる話
< 最近の揉め事 >
長くスカラ座の総支配人の職にあったカルロ・フォンタナは、人気作品をより多く公演にかけたいと主張し、珍しい作品を積極的に取り上げようとする音楽監督・指揮者リカルド・ムーティと長年対立してきたが、2005年2月に運営理事会から解雇された。その結果団員が反発し、強い不満の表明とストライキを引き起こした。劇場の理事会は運営を早急に統一する必要があるという声明を出した。同年3月16日、スカラ座オーケストラとその他の団員はムーティに対する不信任案を圧倒的多数で決議し、ムーティ自身がフォンタナの後任に据えたマウロ・メーリの辞任を要求した。ムーティはこの数日前相互不和を理由に演奏会をキャンセルせざるを得なくなっていた。イタリアの文化相ジュリアーノ・ウルバーニは指揮者を支持したが、スカラ座の円滑な運営と名声を護るため、劇場運営側の速やかな行動を要請するしかなく、収拾に失敗する。4月2日、ついにムーティは長年一緒にやってきた団員の敵意への当惑を示しつつ音楽監督を辞任した。
< 近年の改修工事 >
スカラ座は2002年1月19日から2004年11月までの間、スイスの建築家マリオ・ボッタによる大改修プロジェクトのため閉鎖された。閉鎖中オペラ座は市の中心部を遠く離れた新しいアルチンボルディ劇場に移った。改修に対して伝統派から歴史的なディテールが失われる恐れがあるという反対を招いた。しかし、オペラ座当局は内部構造の改修およびホール内部の分厚い赤絨毯を撤去する事により音響の改善効果に期待しているといわれる。舞台は全面的に造り替えられ、拡大された舞台裏はより多くの舞台装置を収容でき、従来より多くの公演に対応できるようになった。客席にはモニタが設置され、観客はオペラの台詞を英語、フランス語およびイタリア語で読むことが出来る。再開公演のチケットは2000ユーロで発売され即日完売した。改修費用は6100万ユーロといわれ、オペラ座の収支不足は2006年度まで続くものと見られる。
TEATRO ALLA SCALA
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