< 最近の揉め事 >
長くスカラ座の総支配人の職にあったカルロ・フォンタナは、人気作品をより多く公演にかけたいと主張し、珍しい作品を積極的に取り上げようとする音楽監督・指揮者リカルド・ムーティと長年対立してきたが、2005年2月に運営理事会から解雇された。その結果団員が反発し、強い不満の表明とストライキを引き起こした。劇場の理事会は運営を早急に統一する必要があるという声明を出した。同年3月16日、スカラ座オーケストラとその他の団員はムーティに対する不信任案を圧倒的多数で決議し、ムーティ自身がフォンタナの後任に据えたマウロ・メーリの辞任を要求した。ムーティはこの数日前相互不和を理由に演奏会をキャンセルせざるを得なくなっていた。イタリアの文化相ジュリアーノ・ウルバーニは指揮者を支持したが、スカラ座の円滑な運営と名声を護るため、劇場運営側の速やかな行動を要請するしかなく、収拾に失敗する。4月2日、ついにムーティは長年一緒にやってきた団員の敵意への当惑を示しつつ音楽監督を辞任した。 |
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