Ciao
! アントーニオです。私の実家のあるトリノの北50`位にあるイブレア(IVREA)の昔ながらのカーニバルから先週帰ってきたばかりですが右目の上に大きなオレンジの直撃を受け少々青くなってきており会う人ごとに『また、女に殴られたのか』と冷笑されております。初めの内はイブレアの、オレンジのと、説明をしておりましたが徐々に面倒くさくなり『気の強いシチリアの女に殴られた』と言って話をあわせていますが皆それを聞くと更に嬉しそうな顔をして大笑いをし満足げにしておりました。他人のこの手の不幸はただ楽しいとしか思わないものだなーとつくづく思いました。
イブレアの町に12世紀ごろから伝わるオレンジをぶつけ合って戦うユニークなカーニバルをご紹介しましょう。
大き目の馬車に古式豊かな派手目の揃いのコスチュームとフルフェースの被り物をした御者2人と荷台に7〜8人の戦闘員で1チーム(多分20チーム以上ある。)を構成しておりそれらが、他のチームは勿論の事、見物人だろうが通行人だろうが兎に角、入り乱れてオレンジを投げ合う様は何とも平和そのものである。イラクもアフガニスタンも、パレスチナもオレンジでもトマトでもキューイでも投げ合って勝負をしていたら何百万、何千万の悲劇がこの世から消えるのにと思いながら御者の後頭部を狙って思いきり投げたらコントロール悪く、通りの向こうのおばさんの巨大な胸に当たったらしく怒り狂ってイブレア弁で怒鳴り散らしていたので怖くなり一面オレンジが30センチ位積もっている広場から逃げ出した。
日本では、トリノオリンピックで盛り上がっていると聞いているがトリノから50`しか離れていないここイブレアでは、オリンピックよりカーニバルの話で持ちきりでしたのは何ともイタリアらしいなと思いました。
(ミラノ市、アントニオ・リッチ)
|